信頼ゾーンは Kaspersky Endpoint Security が有効なときに監視しないオブジェクトとアプリケーションのリストで、システム管理者が設定します。つまり、信頼ゾーンとはスキャンを除外する項目のグループです。
管理者は処理されるオブジェクトとコンピューターにインストールされるアプリケーションの特徴を考慮しながら、信頼ゾーンを個別に定義します。Kaspersky Endpoint Security がアクセスをブロックする特定のオブジェクトやアプリケーションが無害であることが確実なときには、オブジェクトやアプリケーションを信頼ゾーンに含めなければならない場合があります。
次の方法を使用して、スキャンからオブジェクトを除外できます:
*
」(アスタリスク)文字。「\
」および「/
」(ファイルまたはフォルダーのパスにおけるファイル名またはフォルダー名の区切り文字)を除く任意の文字列に置き換えられます。たとえば、マスク「C:\*\*.txt
」は、C: ドライブ上のフォルダーにある拡張子が txt のすべてのファイルのパスを含みますが、サブフォルダーにあるファイルのパスは含みません。*
」(アスタリスク)文字。ファイル名またはフォルダー名内の、「\
」および「/
」(ファイルまたはフォルダーのパスにおけるファイル名またはフォルダー名の区切り文字)を含む任意の文字列に置き換えられます。たとえば、マスク「C:\Folder\**\*.txt
」は、「Folder
」フォルダーおよびそのサブフォルダーにある拡張子が txt のすべてのファイルのパスを含みます。このマスクは、1 つ以上のフォルダーの下に指定する必要があります。ドライブ直下での「C:\**\*.txt
」というマスクの指定は無効です。?
」(クエスチョンマーク)。「\
」および「/
」(ファイルまたはフォルダーのパスにおけるファイル名またはフォルダー名の区切り文字)を除く任意の 1 文字に置き換えられます。たとえば、マスク「C:\Folder\???.txt
」は、「Folder
」フォルダーにある拡張子が txt でファイル名が 3 文字のすべてのファイルのパスを含みます。Email-Worm
」、「Rootkit
」、「RemoteAdmin
」)。信頼するオブジェクト
信頼するオブジェクトとは、Kaspersky Endpoint Security が特定のオブジェクトについてウイルスなどの脅威のスキャンを実行しないときに、オブジェクトが満たす必要のある一連の条件によって定義されます。
信頼するオブジェクトにより、ユーザーに損害を与える目的で悪用される可能性がある合法的なソフトウェアを安全に使用できるようになります。悪意のある機能はありませんが、このようなアプリケーションは侵入者によって悪用される可能性があります。ユーザーに損害を与える目的で悪用される可能性がある正規のソフトウェアについて詳しくは、カスペルスキーのウイルス百科事典を参照してください。
このようなアプリケーションは Kaspersky Endpoint Security によってブロックされる場合があります。ブロックしないようにするには、使用している製品を信頼するオブジェクトに設定できます。これを行うには、カスペルスキーのウイルス百科事典に登録されている名前または名前マスクを信頼ゾーンに追加します。たとえば、ユーザーがコンピューターのリモート管理用に Radmin アプリケーションを使用しているとします。Kaspersky Endpoint Security はこの処理を疑わしいものとみなして、ブロックする可能性があります。アプリケーションがブロックされないようにするには、カスペルスキーのウイルス百科事典に登録されている名前または名前マスクによって信頼するオブジェクトを作成します。
情報を収集し、それを処理するために送信するアプリケーションがコンピューターにインストールされていると、Kaspersky Endpoint Security がそのアプリケーションをマルウェアに分類する可能性があります。それを防ぐために、ヘルプ内で説明する方法で Kaspersky Endpoint Security を設定することで、そのアプリケーションをスキャン対象から除外できます。
システム管理者が設定した以下のコンポーネントとタスクによって信頼するオブジェクトを使用できます:
信頼するアプリケーションのリスト
信頼するアプリケーションのリストは、ファイルおよびネットワークの動作(悪意のある動作を含む)やシステムレジストリへのアクセスが Kaspersky Endpoint Security によって監視されないアプリケーションのリストです。既定では、Kaspersky Endpoint Security はすべてのプログラムプロセスによってオープン、実行、保存されるオブジェクトをスキャンし、すべてのアプリケーションとこのようなオブジェクトが生成するネットワークトラフィックの処理を管理します。Kaspersky Endpoint Security は、信頼するアプリケーションのリストにあるアプリケーションをスキャンから除外します。
たとえば、Microsoft Windows 標準のメモ帳アプリケーションで使用するオブジェクトはスキャンしなくても安全であると考える場合は、Microsoft Windows メモ帳を信頼するアプリケーションのリストに追加できます。これにより、スキャン処理では、このアプリケーションが使用するオブジェクトがスキップされます。
また、特定の処理が Kaspersky Endpoint Security によって疑わしい処理に分類されたとしても、多数のアプリケーションの機能を考慮すると安全な場合があります。たとえば、キーボードで入力したテキストの取得は、自動キーボードレイアウト切り替えプログラム(Punto Switcher など)では通常の処理です。このようなアプリケーションの特性を考慮して、アプリケーション処理を監視対象から除外するために、このようなアプリケーションを信頼するアプリケーションのリストに追加してください。
信頼するアプリケーションをスキャン対象から除外することで、Kaspersky Endpoint Security とその他のプログラムの間の競合(Kaspersky Endpoint Security と他のアンチウイルス製品による、サードパーティ製コンピューターのネットワークトラフィックの二重スキャンの問題など)を回避し、コンピューターのパフォーマンスを高めることができます。この点は、サーバーアプリケーションを使用する上では特に重要です。
ただし、信頼するアプリケーションの実行ファイルとプロセスのウイルスおよびその他のマルウェアスキャンは実行されます。アプリケーションを Kaspersky Endpoint Security のスキャンから完全に除外するには、信頼するオブジェクトを設定します。