YARA:YARA スキャンの実行

YARA スキャンの実行タスクを実行します。本製品は、Kaspersky Anti Targeted Attack Platform のユーザーが作成した YARA ルールのデータベースを使用して、ファイルとオブジェクトをスキャンし、組織の IT インフラストラクチャに対する標的型攻撃のインジケーターを探します。YARA ルールは、Kaspersky Anti Targeted Attack Platform がファイルやオブジェクトをスキャンするために使用する、標的型攻撃や組織の IT インフラストラクチャへの侵入を示すインジケーターのシグネチャを含むマルウェアの分類であり、誰でも使用することができます。

YARA スキャンを実行するには、ルールを記述した YARA ファイルを準備する必要があります。YARA ファイルを作成する際は、次の要件を考慮してください:

1 つの YARA ファイルに 1 つのルールを作成することを推奨します。こうすることで、スキャン結果が読みやすくなります。

コマンド構文

avp.com YARA /<full path to the YARA file>|/path=<path to the IOC files folder> [<advanced settings>]

YARA ファイル

 

<full path to the YARA file>

スキャンに使用する YARA ファイルの完全パス。スペースで区切って複数の YARA ファイルを指定することができます。YARA ファイルの完全パスは引数「/path」なしで入力する必要があります。

例:「C:\Users\Admin\Desktop\YARA\file1.yar」。

/path=<path to the folder with YARA files>

スキャンに使用する YARA ファイルのあるフォルダーのパス。

例:「/path=C:\Users\Admin\Desktop\YARA」。

詳細設定

 

fastScan

簡易版 YARA スキャン。オブジェクトごとに、検知されたインジケーターの 1 回の出現がログに記録されます。検知されたインジケーターの重複はログには表示されません。簡易版 YARA スキャンでは、サイズの大きいファイルを迅速にスキャンできます。

この設定が指定されていない場合、標準の YARA スキャンが実行されます。このモードでは、検知されたインジケーターの重複がログに記録されます。

maxRules=<maximum number of scan rules>

YARA スキャンを停止するために本製品に適用する必要がある一意のルールの数。

この設定の値が指定されていない場合、または 0 が指定されている場合、制限なしで YARA スキャンが実行されます。

timeOut=<stop scan after the specified time in seconds>

YARA スキャンに費やすことができる時間(秒単位)。この時間が経過すると、YARA スキャンが停止します。

この設定の値が指定されていない場合、または 0 が指定されている場合、制限なしで YARA スキャンが実行されます。

recursive

オブジェクトスキャンの実行時にサブフォルダーを再帰的にスキャンします(scanFolder)。

scanMemory

実行中のすべてのプロセスのメモリをスキャンします。

scanFolders <list of folders to be scanned>

オブジェクトスキャンユーザーが選択したフォルダーがスキャンされます。

この設定が指定されていない場合、ネットワーク共有、クラウドドライブ、リムーバブルメディアを除くすべてのローカルドライブの YARA スキャンが実行されます。

scanProcess <process name>

指定されたプロセスのみメモリをスキャンします。Kaspersky Endpoint Security はマスクの入力時の文字「*」および「?」 をサポートします。

maxFileSize=<file size in bytes>

YARA スキャンのファイルサイズを制限します。それよりもサイズの大きいファイルはスキップされます。

excludes <list of objects to be scanned>

YARA スキャンからファイルとフォルダーを除外します。スペースで区切って複数の値を指定することができます。次の値が使用可能です:

  • ファイル名
  • ファイルパス
  • ファイルの拡張子
  • ファイルパスのマスク

除外リストは、scanFolders パラメータで指定する必要があります。

例:

scanFolders C:\*.* excludes readme.txt C:\trusted\*.* *.xml – ドライブ C のルートフォルダーにある readme.txt ファイル、C:\trusted フォルダーのすべてのファイル、および xml 拡張子のすべてのファイルがスキップされます。

logFolder <path to the folder for saving the scan results in a TXT file>

YARA スキャンの結果を、指定されたフォルダー内のファイルに保存します。YARA スキャンの結果はコマンドラインにも出力されます。

コマンド戻り値:

YARA スキャンの結果は、Kaspersky Anti Targeted Attack Platform コンソールで確認できます。Kaspersky Security Center では、タスクのステータスのみを確認できます。

コマンドが正常に実行され(戻り値が 0)、侵害インジケーターが検出された場合、Kaspersky Endpoint Security は次のタスク結果の情報をコマンドラインに出力します:

Offset

Kaspersky Endpoint Security が YARA スキャンを実行するオブジェクトのオフセット。

Object Name

スキャンするオブジェクトの名前。

Rule Name

YARA スキャンに使用するルールの名前。

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