カスペルスキー インターネット セキュリティ 2018

制限と警告

カスペルスキー インターネット セキュリティには、製品の操作上は重大ではないですがいくつかの制限があります。

以前のバージョンからのアップグレードにおける制限

カスペルスキー インターネット セキュリティの次のバージョンがコンピューターにインストールされている場合にアップグレードが可能です:

  • カスペルスキー インターネット セキュリティ 2015
  • カスペルスキー インターネット セキュリティ 2016
  • カスペルスキー インターネット セキュリティ 2017

それ以前のバージョンからのアップグレードはサポートされません。

カスペルスキー インターネット セキュリティからのアップグレードには次の制限があります:

  • カスペルスキー インターネット セキュリティの以前のバージョンがアップグレードされると、次の製品設定が既定の設定に置き換えられます:
    • カスペルスキー インターネット セキュリティの表示の設定
    • スキャンスケジュール
    • Kaspersky Security Network への参加の設定
    • ファイル保護の保護レベル
    • メール保護の保護レベル
    • バナー広告対策の設定
    • アップデート元
    • 信頼するURLのリスト
    • 危険サイト診断の設定
  • カスペルスキー インターネット セキュリティを以前のバージョンからアップグレードしたあとは、以前に保存されていた設定で本製品の自動実行が無効になっていた場合でも、本製品が自動的に起動します。その後オペレーティングシステムを再起動したあとでは、以前に保存されていた設定で本製品の自動実行が無効になっていれば、本製品は自動的に起動しません。

特定のコンポーネントの操作とファイルの自動処理における制限

感染したファイルと悪意のあるリンクは、Kaspersky Lab が作成したルールに従って自動的に処理されます。これらのルールを手動で変更することはできません。ルールは、定義データベースと機能のアップデートに続いて更新できます。ファイアウォール、Web カメラ保護、アプリケーションマネージャー、ソフトウェアクリーナー、アプリケーションコントロール、実行アプリケーションの制限の各機能のルールも、自動で更新されます。

マイ カスペルスキーからデバイスのスキャンを開始した場合、本製品で指定されているルールに基づいて、ファイルは自動で処理されます。デバイスで検知されたファイルは、マイ カスペルスキーからの要求に応じて、ユーザーへの確認なく自動で処理されることがあります。この処理は、脅威の処理方法が自動処理ではない場合でも、実行されます。

脅威の処理方法が手動選択の場合にファイルを処理する際の例外的な対応

Windows Store から取得したアプリに含まれるファイルが感染している場合、脅威の処理方法が手動選択になっていると、そのファイルの削除を促す通知が表示されます。[駆除]は利用できません。

Kaspersky Security Network への接続の制限

操作中に、本製品は Kaspersky Security Network で情報を検索することがあります。Kaspersky Security Network からデータを読み出せなかった場合は、ローカルの定義データベースに基づいて、本製品が判断します。

システムウォッチャーの機能の制限

クリプター(ユーザーファイルを暗号化する悪意のあるソフトウェア)に対する保護には、次の制限があります:

  • この機能をサポートするためにシステムの一時フォルダーが使用されます。一時フォルダーのあるシステムドライブのディスク容量が、一時ファイルを作成するのに十分でない場合、クリプターに対する保護は提供されません。この場合、ファイルがバックアップされないこと(保護が提供されないこと)を知らせる通知は、アプリケーションに表示されません。
  • カスペルスキー インターネット セキュリティの終了時、またはシステムウォッチャーを無効にしたとき、一時ファイルは自動的に削除されます。
  • カスペルスキー インターネット セキュリティを緊急で終了させた場合、一時ファイルは自動的に削除されません。一時ファイルを削除するには、一時フォルダーを手動で削除します。そのためには、[実行]ウィンドウ(Windows XP のファイル名を指定して実行コマンド)を表示し、[開く]に「%TEMP%」を入力します。[OK]をクリックします。
  • 暗号化に対する保護は、NTFS ファイルシステムでフォーマットされたデータドライブ上にあるファイルにのみ提供されます。
  • 1 つの暗号化プロセスにつき、復元できるファイル数は 50 を超えることはできません。
  • ファイルに対する編集量は、合計 100 MB を超えることはできません。編集量がこの上限を超えているファイルは復元できません。
  • ネットワークのインターフェイス経由でファイルが編集された場合、編集内容は監視されません。
  • EFS で暗号化されたファイルはサポートされていません。
  • カスペルスキー インターネット セキュリティをインストールした後に、暗号化に対する保護を有効にするためにコンピューターを再起動する必要があります。

暗号化された接続のスキャンの制限

スキャンアルゴリズムの実装に関する技術的な制限が原因で、暗号化された接続のスキャンは TLS 1.0 プロトコルおよび以降のバージョン(特に、NPN および ALPN)の特定の拡張子をサポートしません。これらのプロトコルを介した接続には制限がある場合があります。SPDY プロトコルを用いたブラウザーは、接続が確立されているサーバーが SPDY をサポートしていても、SPDY の代わりに TLS プロトコルを通じて HTTP の使用をサポートします。これは接続のセキュリティレベルには影響しません。サーバーが SPDY プロトコルのみをサポートしており、HTTPS プロトコルによる接続を確立できない場合、本製品は確立された接続を監視しません。

カスペルスキー インターネット セキュリティは、HTTPS/2 プロキシのトラフィックの処理をサポートしません。HTTP/2 プロトコルの拡張を経由して送信されたトラフィックは処理されません。

カスペルスキー インターネット セキュリティは、QUIC プロトコルでのデータ交換を防止します。QUIC プロトコルのサポートがブラウザーで有効になっているかいないかにかかわらず、ブラウザーは標準のトランスポートプロトコル(TLS または SSL)を使用します。

カスペルスキー インターネット セキュリティは、復号化できる安全な接続のみを監視します。本製品は、除外リスト([ネットワーク設定]ウィンドウで[Web サイト]をクリック)に追加されている接続を監視しません。

以下の機能は、暗号化されたトラフィックの復号化とスキャンを既定で実行します:

  • ウェブ保護
  • ネット決済保護
  • 危険サイト診断
  • 保護者による管理

ユーザーが Google Chrome ブラウザーを使用しており、カスペルスキー プラグインが無効になっている場合、カスペルスキー インターネット セキュリティは暗号化されたトラフィックを復号化します。

ブラウザーがインターネットではなくローカルキャッシュからWebページまたはその要素を読み込む場合は、カスペルスキー インターネット セキュリティはトラフィックを監視しません。

暗号化された接続のスキャンの除外対象に対する制限

除外リストに追加された Web サイトとの暗号化された接続をスキャンする際、バナー広告対策や危険サイト診断、Web トラッキング防止などの一部の機能では、暗号化された接続が引き続きスキャンされる場合があります。ネット決済保護、保護者による管理、ウェブ保護では、除外リストに追加されたWebサイトはスキャンされません。

迷惑メール対策の制限事項

迷惑メール対策には、以下の制約があります:

  • 迷惑メール対策の機能は、迷惑メール対策の設定ファイルを編集することで設定できます。
  • 以前のバージョンや新しいバージョンに移行する際に、迷惑メール対策のデータベース(メールクライアントのプラグイン経由でユーザーが追加したスパムメッセージの検体)は保存されません。

保護されたブラウザーモードにおけるルートキットのカーネルメモリスキャンの指定

保護されたブラウザーモードで信頼できないモジュールが検知されると、悪意のあるソフトウェアの検知に関する通知が、新しいブラウザータブで表示されます。これが起こった場合は、ブラウザーを閉じてコンピューターの完全スキャンを実行してください。

クリップボードのデータ保護の指定

カスペルスキー インターネット セキュリティは、アプリケーションのクリップボードへのアクセスを次の場合に許可します:

  • アクティブウィンドウのアプリケーションが、クリップボードにデータを貼り付けようとしている。現在使用しているウィンドウは、アクティブウィンドウである。
  • アプリケーションの信頼できるプロセスが、クリップボードにデータを貼り付けようとしている。
  • アプリケーションの信頼できるプロセスまたはアクティブウィンドウによるプロセスが、クリップボードからデータを取得しようとしている。
  • 以前クリップボードにデータを貼り付けたアプリケーションのプロセスが、クリップボードからそのデータを取得しようとしている。

カスペルスキー製品の互換性に関する警告

カスペルスキー インターネット セキュリティは、次のカスペルスキー製品との互換性があります:

  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoint 2.0
  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoint 2.5
  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoint 3.0
  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoint 3.5
  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoints 4.0
  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoints 5.0
  • Kaspersky Fraud Prevention for Endpoints 6.0
  • Kaspersky Password Manager 2.0
  • Kaspersky Password Manager 5.0
  • Kaspersky Password Manager 7.0
  • Kaspersky Password Manager 8.0

感染したファイルの各コンポーネントによる処理の詳細

既定では、駆除できない感染したファイルを本製品で削除できます。既定では、アプリケーションコントロール、メール保護、ファイル保護などのコンポーネントによるファイルの処理中、スキャンタスクの実行中、およびシステムウォッチャーによるアプリケーションの悪意のある動作の検知時に、削除を実行できます。

Kaspersky Fraud Prevention for Endpoints と一緒に本製品をインストールする場合に特定のコンポーネントに適用される制限

Kaspersky Fraud Prevention for Endpoints と一緒に本製品をインストールする場合、次のカスペルスキー インターネット セキュリティのコンポーネントの操作は保護されたブラウザーで制限されます:

  • ウェブ保護(フィッシング対策を除く)
  • 保護者による管理
  • 危険サイト診断
  • バナー広告対策

メッセンジャー保護と保護者による管理の変更に関する警告

カスペルスキー インターネット セキュリティ 2016 より、メッセンジャー保護機能では、IRC プロトコルで送信されるメッセージはスキャンされません。

メッセンジャー保護では、次の ICQ バージョンのみサポートします:ICQ 8 - ICQ 8.3。以降のバージョンはサポートされません。

カスペルスキー インターネット セキュリティ 2016 より、保護者による管理機能では、インスタントメッセンジャーで送信されるメッセージはスキャンされません。

自動実行プロセスの動作の詳細

自動実行プロセスは、動作の結果をログに記録します。そのデータは「kl-autorun-<date><time>.log」という名前のテキストファイルに記録されます。データを表示するには、[ファイル名を指定して実行]ウィンドウ(Windows XP では[ファイル名を指定して実行]コマンド)の[名前]に「%TEMP%」と入力し、[OK]をクリックします。

すべてのトレースファイルは、自動実行プロセスの動作中にダウンロードされた設定ファイルと同じパスに保存されます。データは、自動実行プロセスの動作中に保存され、プロセスが終了すると完全に消去されます。データはどこにも送信されません。

Device Guard機能を有効にしたMicrosoft Windows 10 RS4におけるカスペルスキー インターネット セキュリティの制限事項

以下の機能の動作が一部制限されます:

  • クリップボードデータの保護
  • キーロガーやマウス入力エミュレーター(入力の偽装)からのブラウザー保護
  • 遠隔管理アプリケーションからの保護
  • ブラウザーの保護(APIによる管理、ブラウザーウィンドウへの危険なメッセージを使用した攻撃からの保護、メッセージキュー管理からの保護)
  • ヒューリスティック分析(悪意のあるアプリケーションの起動のエミュレーション)

WindowsでUMCIモードが有効な場合、カスペルスキー インターネット セキュリティはデスクトップロッカーを検知しません。

使用許諾契約書とKaspersky Security Networkに関するイベントのWindowsイベントログへの記録

使用許諾契約書に対する同意と不同意、Kaspersky Security Network への参加に対する同意と不同意に関するイベントが、Windows のイベントログに記録されます。

Kaspersky Security Networkによるローカルアドレスの評価の確認における制限

ローカルリソースへのリンクは、Kaspersky Security Network でスキャンされません。

情報を収集するアプリケーションに関する警告

情報を収集し、その情報の処理を目的に送信するアプリケーションがコンピューターにインストールされた場合、このアプリケーションは、カスペルスキー インターネット セキュリティによってマルウェアに分類されることがあります。これを防ぐには、このアプリケーションをスキャンから除外するようにカスペルスキー インターネット セキュリティを設定してください。設定方法は、本ヘルプに記載されています。

アプリケーションのインストールレポートの作成に関する警告

アプリケーションがコンピューターにインストールされると、インストールレポートファイルが作成されます。アプリケーションのインストールがエラーで完了した場合は、インストールレポートファイルは保存されるので、そのファイルをカスペルスキーのテクニカルサポートにお送りください。アプリケーションウィンドウのリンクをクリックしてインストールレポートの内容を表示することができます。アプリケーションが正常にインストールされた場合は、インストールレポートはお使いのコンピューターからすぐに削除されます。

オペレーティングシステムMicrosoft Windows 10 Anniversary Update(RedStone 1)におけるWebカメラ制御の制限

オペレーティングシステム Microsoft Windows 10 Anniversary Update(RedStone 1)で本製品をインストールした場合、コンピューターを再起動しないと Web カメラのアクセス制限が正しく動作しない可能性があります。

ファイアウォールの制限事項

制御対象のアプリケーションによってインストールされたローカルの接続は、ファイアウォールでは制御しません。

保護ブラウザーモードでの Microsoft Edge ブラウザーに関する注意事項

Microsoft Edge が保護ブラウザーモードに切り替えられない場合、カスペルスキー インターネット セキュリティはコンピューターにインストールされている別のブラウザーを起動します。

以下の場合に別のブラウザーが起動します:

  • 保護ブラウザーモードに切り替わる前に Microsoft Edge で必要な保護を提供できない場合。
  • コンピューターに別のカスペルスキー製品がインストールされている場合。

アプリケーションコントロールに関する注意事項

コンピューターに VeraCrypt がインストールされている場合、アプリケーションコントロール機能の使用中にカスペルスキー インターネット セキュリティが終了することがあります。この問題を解決するには、VeraCrypt を 1.19 以降のバージョンにアップグレードしてください。

Microsoft Windows 7 から Microsoft Windows 10 にアップグレードした後の本製品の初回起動時における制限事項

Microsoft Windows 7 から Microsoft Windows 8 または 8.1、Microsoft Windows 10 RS1、RS2、RS3 または RS4 にアップグレードした場合、カスペルスキー インターネット セキュリティには、初回起動時に次の制限があります。

  • ファイル保護(リアルタイム保護)のみ実行します。その他の製品コンポーネントは実行されません。
  • ファイルおよびシステムレジストリのセルフディフェンスは実行されます。プロセスのセルフディフェンスは実行されません。
  • 製品のインターフェイスはコンピューターを再起動するまで利用できません。いくつかの製品コンポーネントは実行されていないこと、また新しいオペレーティングシステムの適合が完了した後にコンピューターの再起動が必要であることについて通知が表示されます。
  • タスクバーの通知領域にあるアイコンのコンテキストメニューでは、[終了]のみ利用できます。
  • 本製品は通知を表示せず、自動的に推奨される処理を選択します。

Mozilla FirefoxブラウザーでHTTPSを使用した通信をスキャンする際の制限事項

Mozilla Firefox 58.x以降のバージョンでは、ブラウザーの設定の編集がマスターパスワードによって保護されていた場合、本製品はHTTPSプロトコルを使用して転送された通信をスキャンしません。ブラウザーでマスターパスワードを検知した場合、本製品はナレッジベースへのリンクを含む通知を表示します。ナレッジベースの記事にはこの問題を解決する方法が記載されています。

HTTPSが監視されない場合、次の機能の動作が制限されます。

  • ウェブ保護
  • フィッシング対策
  • 保護者による管理
  • プライバシー保護
  • バナー広告対策
  • データ入力の保護
  • ネット決済保護